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上里町で落語家・柳亭こみちさん講演 「自分らしく生きる」ヒント伝える

上里町で柳亭こみちさん講演 「自分らしく生きる」ヒント伝える

 落語家・柳亭こみちさんによる講演会「女性が主人公の落語をつくる理由~落語家のリアルと“笑える毎日”のつくり方~」が6月27日、上里町男女共同参画推進センター(上里町七本木)で開かれた。落語家としての修業や子育て、女性を主人公に据えた落語を手がけるようになった背景を語り、落語2席も披露した。

 上里町が「男女共同参画週間」に合わせて開いた同講演会。男女共同参画社会基本法が公布・施行された1999(平成11)年6月23日にちなみ、国は毎年6月23日~29日を男女共同参画週間と定め、職場や家庭、地域などで誰もが個性と能力を発揮できる社会について考える機会としている。

 こみちさんは2003(平成15)年、七代目柳亭燕路さんに入門。人間国宝の十代目柳家小三治さんの孫弟子に当たり、2006(平成18)年に二つ目、2017(平成29)年に真打ちへ昇進した。二児の母として真打ちに昇進したのは落語協会で初めてという。

 講演では、早朝から師匠宅へ通い、掃除や炊事などをしながら芸を学んだ前座修業時代を振り返った。男性が圧倒的に多かった落語界に入り、女性として高座に上がる中で経験した戸惑いや苦労についても、笑いを交えながら率直に紹介した。

 古典落語には、男性が中心となって物語を動かし、女性は妻や娘、遊女など限られた役割で登場する演目も少なくない。こみちさんは、古典落語の面白さを大切にしながら、登場人物の男女を入れ替えたり、女性の視点から物語を捉え直したりする作品づくりに取り組んでいる。

 女性を主人公にすることについて、単に男性と女性の役を交換するのではなく、女性が何を考え、どう行動するかを描くことで、これまでとは異なる物語の魅力や笑いが生まれると説明。長く受け継がれてきた落語も、演じる人や時代が変わることで新しい表現が生まれると話した。

 こみちさんが執筆したエッセー「女性落語家増加作戦」は、光村図書出版の「ベスト・エッセイ2025」に収録された。落語界を目指す女性が増える一方、結婚や出産、子育てと芸人としての活動をどう両立するかなど、女性落語家を取り巻く環境には今も課題があるという。

 講演後には落語2席を演じ、身ぶりや表情、声色を巧みに使い分けて複数の登場人物を表現。会場を笑いで包み、講演で伝えた「女性が活躍する落語」の世界を実際の高座で届けた。

 質疑応答では、参加者から「修業時代に落語家を辞めたいと思ったことはあるか」「母親の仕事について子どもたちはどのように感じているか」などの質問が相次いだ。こみちさんは自身の経験を交えながら一つ一つに答え、仕事と家庭を両立する日々についても飾らない言葉で語った。

 落語と講演を通じて、性別によって役割や可能性を決めつけるのではなく、一人一人が自分らしい生き方を選ぶことの大切さを考える時間となった。

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