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ウクライナ大使、上里菅原神社で平和を祈願 町民へスピーチも

上里菅原神社の梅林テチャナさんから絵馬の説明を受けるコルスンスキー大使

上里菅原神社の梅林テチャナさんから絵馬の説明を受けるコルスンスキー大使

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 セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使夫妻ら16人が2月23日、上里菅原神社(上里町帯刀)を訪れ平和を祈願した。午後からは「町民のつどい」に参加した。

コルスンスキー大使が思いを記した絵馬

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 駐日ウクライナ大使館職員らと共に同神社に到着したコルスンスキー大使は、絵馬にウクライナ語で「今日は天皇陛下の誕生日です。ウクライナと日本の平和を願っています。ウクライナに栄光あれ。日本に栄光あれ」と思いを記した。

 同神社の宮司の妻で権禰宜(ごんねぎ)の梅林テチャナさんはウクライナ出身。梅林正樹宮司は「全国の神社数は約8万社で、神職は約2万人。そのうち、外国人は10人ほど。妻のテチャナは女性で初めて神職資格を得た」と話した。コルスンスキー大使らは同神社の本殿で、平和祈願や玉串奉てんなどを行った。

 上里町総合文化センター(七本木)で午後に行われた平和への思いをつむぐ式典「町民のつどい」には約350人の町民らが参加した。

 コルコンスキー大使は「ウクライナと日本は約8000キロの距離があるが、日本の温かい支援に感謝する。日本は約2500人の避難民を受け入れてくれて、安全に住む環境だけでなく、就労、子どもたちの教育の機会などを与えてくれた。87大学で約460人のウクライナの学生を受け入れてくれた」と話した。「日本では、第二次世界大戦や東北大震災などがあったが、こんなに美しい国を再建して、素晴らしい社会を作り上げた。その経験をウクライナ人も習い、戦争が終わったら美しいウクライナを作りたい」とも。

 コルスンスキー大使は、国鉄で新幹線システム開発に従事した経験のある山下博一上里町長に対して「首都キーウとオデーサ間に新幹線の建設をする際には助言を頂きたい」という言葉でスピーチを締めくくった。

 同町広報大使でシンガー・ソングライターのTAONさんは昨年9月16日、駐日ウクライナ大使館(東京都港区)に招待されて歌ったオリジナルソング「ウクライナに栄光あれ~ウクライナとともに~」などを弾き語りで披露した。式典後、コルスンスキー大使は「ウクライナ語で初めて歌を聴いて感動した。難しかったと思うが素晴らしかった。努力に感謝する」と振り返った。

 町内でパンの製造や販売などを行う会社「味輝(みき)」を経営する荒木和樹社長は式典後、「ウクライナ避難民を雇用することで支援につなげたい」と話した。山下町長は「町ではウクライナ避難民のための住居を確保しているので、官民連携して支援していきたい」と話した。

 同町では2月19日、同町ボランティア連絡会の協力の下、町内4カ所でウクライナ避難民支援のための募金活動を行った。式典で山下町長は80万円の寄付目録をコルスンスキー大使に手渡したが、式典終了後、募金額は増えて92万4,642円になった。島田邦弘副町長によると、3月1日に全額、ウクライナ大使館の口座に振り込んだという。

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