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本庄の秋田犬「魂坐号」が全国2位 麻生太郎財務大臣表彰

上原泰二さんと秋田犬の「魂坐号」(左)(撮影=7月21日、若泉運動公園)

上原泰二さんと秋田犬の「魂坐号」(左)(撮影=7月21日、若泉運動公園)

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 本庄で秋田犬「魂坐(ごんざ)」の飼い主で、「秋田犬保存会主催第143回本部展覧会」で全国2位の「麻生太郎財務大臣賞」を受賞した上原泰二さんが7月2日、魂坐と共に吉田信解本庄市長を表敬訪問した。

秋田犬保存会主催第143回本部展覧会の「麻生太郎財務大臣賞」賞状

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 上原さんは、市内の自宅で4歳の「魂坐」を含めて4頭の秋田犬を飼っている。20代のころから秋田犬と触れ合いのある生活だったが、12年ほど前に血統書付きの秋田犬を譲ってもらったのがきっかけとなり、5年ほど前から本格的に、関東圏をはじめ山形、福島、静岡、浜松、岐阜などの展覧会で一席が取れる犬を自分で育てるようになった。。

 上原さんは3年ほど前、「秋田犬の良さを多くの人に感じてほしい」という思いから展覧会の上位に入れる犬を探していた。群馬県高崎市のブリーダーに会ったとき、足元にやって来た生後3カ月の秋田犬を見て「犬の目が、連れて行ってほしいと訴えているように感じた」と振り返る。「犬の個体、目、耳、足の太さ、毛艶など18カ所ほど見たところ、この犬は優れてはいないとブリーダーに言われた」とも。

 「魂坐」と名付け、茨城、東京、神奈川、宇都宮、埼玉、群馬で「幼犬の部」「若犬の部」などに出したが勝てず、10頭中8番目くらいになることが続いた。

 上原さんは、いろいろな情報を仕入れたり、他のブリーダーから犬の鍛え方などを学んだりした。魂坐が2歳になったとき、「ただ単に散歩しているだけでは展覧会で上位には入れない」と分かった上原さんは、近所にある階段を毎日朝夕の散歩のときにダッシュするなどした。「一日も休まず続けたことで犬の胸が広がり、姿勢が良くなり、足が太くなった」と振り返る。

 「魂坐は人間の言っていることが分かる」という上原さんは、展覧会に向けた訓練を繰り返し行った。3歳の春、埼玉羽生市で行われた関東総支部の大会に出陳したところ、「他の犬は立っているとき動いたが、魂坐は微動だにせず立ったままで、小さい自分自身を大きく見せたことで、勝つことができた」と話す。「東京、東京中央、埼玉、神奈川、千葉、茨城、栃木、群馬、山形、福島と1年に支部展で9連覇する『魂坐神話』が生まれた」とも。その後、本部のある秋田県大館市で行われた本部展で2位になり、「麻生太郎財務大臣賞」に輝いた。

 上原さんは「秋田犬は世界中に約6500頭いるが、日本国内には2500頭ほど」と話す。本庄児玉郡市には秋田犬は16頭いるが、そのうち4頭は上原さんが所有している。上原さんは午前3時半に起床し、4時からの散歩を日課としている。1時間に2頭、2時間で4頭を散歩させるという。雨の日は雨ガッパを着ないで散歩すると話す上原さんは「犬を飼い始めて以来、1泊で旅行に行ったことはない」と話す。

 「今飼育している5歳、4歳、3歳、2歳の秋田犬4頭をきちんと最後まで世話をするのが自分の役目」と話す上原さん。「秋田犬保存会に関わり、秋田犬のすそ野を広げていくこと。そのためにも知識を蓄え、一般の人に秋田犬の良さを分かってもらうために広報していきたい」と話す。

 秋田犬保存会は1927(昭和2)年5月、当時の大舘町長、泉茂家さんによって設立された。本部は秋田県大館市。毎年1回、5月3日に行われる「本部展」では、内閣総理大臣賞と財務大臣賞が用意されている。

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