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秩父盆地が「雲海」に包まれる 珍しく夏にも発生

「美の山公園」から見る「雲海」(撮影=荻原修司さん)

「美の山公園」から見る「雲海」(撮影=荻原修司さん)

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 秩父地域唯一の独立峰である蓑山(みのやま=標高581.5メートル)の山頂にある県立自然公園「美の山公園」(秩父市黒谷)から8月14日早朝、「雲海」を見ることができた。

昨年11月に発生した秩父の雲海

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 同園は「関東の吉野山」と呼ばれる桜の名所。案内板によると、秩父市と皆野町にまたがる蓑山山頂部一帯に桜の名所をつくろうと、12年の歳月をかけて整備を行い、1979(昭和54)年に「美の山公園」として開園。秩父地域では珍しい独立峰であるため、山頂からの展望は素晴らしく、奥武蔵、外秩父、奥秩父の山々を一望できる。季節の移り変わりとともに、ヤマツツジやアジサイなどの植物や野鳥の観察を楽しめるという。

 秩父在住の荻原修司さんは「前日の午後に雨が降り、当日朝5時ごろ、霧で白く覆われていたため、雲海が発生すると予測して箕山山頂に向かった」と話す。5時45分~6時半ごろ、朝日が入り「最高の雲海になった」という。

 雲海は、雨が降った翌日で風が吹いていない晴れた日に発生しやすい。多く発生するのは春と秋といわれている。夜間に放射冷却で地表が冷やされ気温が下がると、水分を多く含んだ空気が一気に冷やされ、空気中の水分が飽和状態になり霧が発生する。通常は上空で空気が冷やされ「空の雲」になるが、秩父は盆地であるため風の影響を受けにくく、冷たい空気の上に暖かい空気がある「逆転層」が起こり、霧が上昇せずに滞留。朝まで残っていると秩父市街は濃霧の状態となり、秩父ミューズパークなどの高台や山頂から雲海を見ることができる。

 荻原さんは「武甲山から秩父市街地にできる雲海もきれいだが、秩父高原牧場下から三沢の峠、皆野、長瀞方面のほうが神々しい雲海を見ることができる」と話す。

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