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埼玉・神川の温泉施設で生サバ試食会 独自の養殖サバが出荷基準に

サバの陸上養殖に取り組む「おふろカフェ白寿の湯」の鎌田奈津実さん

サバの陸上養殖に取り組む「おふろカフェ白寿の湯」の鎌田奈津実さん

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 埼玉・神川の日帰り温泉「おふろカフェ白寿の湯」(神川町渡瀬、TEL. 0274-52-3771)で12月17日・18日、同施設内で養殖しているサバが300グラムまで成長したことを記念して試食会が開かれた。

試食会で提供された「温泉サバの塩焼き」と「温泉サバの漬け」

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 2011(平成23)年3月創業の「温泉道場」(本社=ときがわ町)が経営する同温泉では2021 年10月より、敷地内で埼玉県初のサバの陸上養殖場「温泉サバ陸上養殖場」をスタート。「海なし県」の埼玉で行うサバを育てるプロジェクトは、同温泉副支配人の鎌田奈津実さんが「サバの養殖をしたらどうか」と提案したことがきっかけだったという。

 養殖を始めて約2カ月たったとき、サバの稚魚500尾と成魚500尾全てが全滅する事態に陥り、当初予定していた養殖場見学や釣りのアクティビティーを中止せざるを得なくなった。鎌田さんは「サバがふんをするとアンモニアが発生するが、そのアンモニアの毒性を分解するバクテリアがうまく機能せず、亜硝酸が水槽内にたまって亜硝酸中毒を引き起こしてしまった」と振り返る。鎌田さんらは今年1月からサバが生育できる状態の水づくりを行い、バクテリアが活性化するのを確認したうえで4月から、約 1000 尾のサバの稚魚の養殖に再チャレンジした。約20トンの巨大水槽2つで、餌は1日2回、手まきで与えるという。

 約8 カ月で300グラムほどまで成長し、出荷基準となるサイズに達した個体が増えてきたため、同施設内の食事処「俵や」で2日間にわたって、「温泉サバの漬け」「温泉サバの塩焼き」の試食会を開いた。

 鎌田さんは「人工海水で育てているのでアニサキスという寄生虫の心配がなく安心。来年6月から生サバを常時提供していきたい」と意気込む。

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