埼玉・美里の「美里オーストリッチファーム」（美里町白石、TEL 0495-71-6838）で作ったユーチューブ動画の再生回数が1カ月弱で100万回を突破した。

「美里オーストリッチファーム」のダチョウのはく製

　この動画は、昨年入社した小西雄貴さんが制作した。小西さんは元々、都内の会社でSEの仕事をしていたが、都会の喧騒（けんそう）を離れて田舎で働きたいと思うようになり転職を決意。農業・酪農求人サイトで、林屋コンクリート工業（東京都板橋区）が運営するオーストリッチ事業に興味を持ったという。同社は今年20年目に入った。

　小西さんは入社後、ダチョウの飼育以外に動画の撮影や編集、牧場内掲示物やパンフレットなどのデザイン、ネットショッピングの構築なども行っている。

　同社では昨年春、博物館構想をスタート。10月から展示資料作りを始めた吉野友子さんは「博物館づくりで欠かせない標本作りだが、ダチョウに関する資料やデータが少なく、手探り状態でのスタートだった」と振り返る。

　ダチョウ博物館が今秋オープンすることを知ってもらおうと、吉野さんと小西さんが中心になって始めたユーチューブ動画の制作。「私はダチョウが好きすぎて、ダチョウ牧場への転職を決めたただの飼育員」という吉野さんのナレーションで始まる「拾ってきた卵を洗います」編の動画（2022年8月1日公開）の再生回数は8月29日時点で104万回を超えた。

　同ファームでは、約1万坪の敷地でのびのびとダチョウを育てている。一羽一羽の育成状況に応じた自家配合飼料を給餌し、地元農家から仕入れた新鮮な野菜や自家農場で栽培したアルファルファなども与えている。

　「ダチョウに特化した博物館は国内で聞いたことがない」と話す吉野さん。「博物館オープンに向けて、ダチョウについて興味を持ってもらえるように動画作りにも、さらに力を入れていきたい」と意欲を見せる。7月にはクラウドファンディングも始めて、協力を呼びかけている。