「美里オーストリッチファーム」(美里町白石)が来春、「食品サンプル」を作る講座を開講する。10月16日に行われた「ダチョウ博物館オープン2周年記念セレモニー」で、山田謙司農場長が発表した。
林屋コンクリート工業(東京都板橋区)が2003(平成15)年3月、バブル期以降使っていなかった約1万坪の敷地でダチョウの飼育を始めた。2022年10月20日、「オーストリッチミュージアム」として同館をオープンした。
式典で山田農場長は「牧場が開業して21年、博物館が2周年ということで、長らく皆さまに愛されてきた。この結びつきを今後も、より強く深めていきたい。地域の方々と連携した企画にも取り組んでいきたい。食品サンプルを作る講座は、ものづくり体験の創出を目的に企画した」と話す。
講座で講師を務める予定のles plume(レプリュム)さんは、同館の標本師・作家。レプリュムさんと同施設の飼養衛生管理者・高橋友子さんが中心となり、1年半かけてダチョウの全身骨格標本を作り、同館オープンに合わせて展示を始めた。レプリュムさんは今年9月、食品サンプルアートインストラクターの民間資格を取得したことを機に「博物館や牧場に足を運んでもらうきっかけとして、食品サンプルを作る講座を開いたら」と提案。「牧場に来た人に(講座を)楽しんでいただくとともに、ダチョウを身近に感じてくれれば」と期待を寄せる。
講座では、食品の型取りを行い、樹脂を流し込み、型を抜いて着色するという一連の流れで「食品サンプル」を作る。現在、事務所内の応接間をワークショップで使える「多目的室」に改装している。
レプリュムさんは「ダチョウをモチーフにしたクッキーやダチョウの卵の菓子『みさとパイ』など、自分の好きなものを本物そっくりに作れる。プリンやアイスでも溶けることなく愛(め)でることができる。(食品サンプルは)作る楽しみと飾る楽しみがあり、さらには活用もできる」と受講を呼びかける。
開園時間は10時~16時。食品サンプルを作る講座の受講料はコースにより1,000円~を予定。