
ロシアがウクライナに侵攻して2月24日で3年がたった。上里菅原神社(上里町帯刀)権禰宜(ごんねぎ)の梅林テチャナさんは、4月に離任する予定のセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使への思いを書きつづった。
梅林テチャナさんの思いを書き記した「絵馬」を受け取ったセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使
同神社の宮司の妻であるテチャナさんはウクライナ出身。英語版とウクライナ語版の御朱印を頒布している。2022年2月24日、ロシアが母国ウクライナに侵攻してきた直後、「Stand With Ukraine(ウクライナと共に)」などと記した御朱印をSNSに投稿して注目を集めた。
侵攻から1年になる2023年2月23日には、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使夫妻はじめ大使館職員ら16人が同神社を訪れた。コルスンスキー大使は同神社で絵馬に「今日は天皇陛下の誕生日。ウクライナと日本の平和を願っている。ウクライナに栄光あれ。日本に栄光あれ」とウクライナ語で思いを記した。県立深谷第一高校の放送部員らは同年、梅林さん夫婦の平和への思いを伝えようと、約5分から成る短編映画「スラーヴァ」を製作した。同作品は同年度の県コンクール「ビデオメッセージ部門」最優秀賞・県知事賞などに輝いた。
ウクライナへの侵攻が激しさを増すにつれ、テチャナさんにはメディアからの取材が相次いだ。並行して、テチャナさんが書く御朱印を求めて行列ができるようになった。テチャナさんは「1日80枚を超えることもあった」と振り返る。
テチャナさんは「今、御朱印を求めて訪れる人は1日数人。母国では親類や知人が戦争の犠牲になった」と話す。
山下博一上里町長は3月3日、ウクライナ大使館(東京都港区)を訪れた。山下町長は埼玉県産のオリジナルイチゴ「あまりん」と共に、テチャナさんから託された「一日も早くウクライナに平和が訪れますように」「ウクライナに栄光あれ」などと書き記された「絵馬」をコルスンスキー大使に手渡した。
同神社の御朱印の受け付け可能日時はホームページなどで確認できる。深谷第一高校放送部は3月23日、深谷市民文化会館小ホールで開く上映会で、短編映画「スラーヴァ」の上映を予定する。入場無料。