約1200世帯から成る小島南自治会が10月15日、小島南自治会館(本庄市小島南1)で約150人が参加して「小島南ふれあい防災訓練&健康フェア」を開いた。同イベントには「中越市民防災安全士会」女性部員も参加して「災害食講座」を開いた。
「緊急安否確認システム」を開発した小島南自治会・DX推進担当の岩崎明さんと鳥羽孝夫自治会長
鳥羽孝夫自治会長が司会進行を務めた開会式では、本庄市の吉田信解市長、埼玉県危機管理防災部の渋沢陽平副部長、児玉郡市広域消防本部・中央消防署の横山和幸署長らがあいさつ。横山署長は「関東大震災から100年の節目、災害に対する危機意識が全国的に高まっている。自分の命は自分で守る」と話した。「寝るときに枕元に履物を置くことを呼びかけている」とも。
9月に「令和5年度防災功労者内閣総理大臣表彰」を受賞した「中越市民防災安全士会」の女性部・石黒みち子さん、星野祥子さん、中島栄さんの3人が災害時の食事「災害食講座」を開いた。同会は中越地震の経験から、地域の防災リーダーの育成を目的とした「中越市民防災安全大学」の卒業生有志が、継続的な防災知識の習得と地域での防災活動での実践につなげるため、2007(平成19)年に結成した市民団体。同会の星野さんは「地震などの災害により、電気、水道、ガスなどが使えなくなることがある」と話し、少ない水で調理できる「パッククッキング」について説明し実演した。「災害食」を試食した吉田市長は「災害時に食べられれば、ごちそうだと思う」と話した。
会場には「本庄市自治会ドローンクラブ」のメンバーも駆け付けた。昨年5月の同市自治会連合会の定期総会で「ドローンを活用したまちづくり実証実験」の参加者募集があり13人が応募したという。昨年11月から今年3月にかけて10回の講習を受講。講習終了後に、境野さんらは同クラブを創設した。メンバーの橋本さんは「災害が起きたときにドローンは必ず役に立つ」と話した。
当日、避難行動要支援者で自力避難できない人の安否確認を民生・児童委員らが行う訓練も実施した。
災害時に役立つ「緊急安否確認システム」を開発した岩崎明さんは、同システムを用いた訓練を行った。同自治会婦人防犯部の安藤昇子さんらがスマホアプリの「電話して」「助けて」などの項目をタップすると、同自治会の災害時対策本部のパソコンに氏名、電話番号、メッセージと共に居場所も地図上に表示された。岩崎さんは「DX推進担当として簡単に使えるアプリを、これからも開発していきたい」と意欲を見せた。