本庄の「はにぽんプラザ」(本庄市銀座1)で10月2日に行われた「第9弾 講談会」で、児童3人が初めて講談を披露した。
「塙保己一(はなわほきいち)を講談で聴く会」では、同市出身の盲目の国学者、塙保己一の功績などを知ってもらおうと、プロ講談師による講談会などを開いてきた。
9回目となる今回、「第1回塙保己一賞」を受賞した全盲のフルート奏者・綱川泰典さんの演奏に続き、小学6年の江原凜(りん)さん、小学4年の藤井陽愛(ひな)さん、小学5年の若月遥翔(はると)さんが講談を行った。
演題は、江原さん=「塙保己一 修業時代」、藤井さん=「ヘレン・ケラー」、若月さん=「塙保己一 音を聞いて道を知る」。真打ちの講談師、宝井琴鶴(きんかく)さんから今夏から3回にわたりオンラインで指導を受け、前日には本番前最後の稽古を対面で行った。
終了後、3人は「緊張したが楽しかった」と口をそろえて話した。「将来は講談師になりたい」とも。
江原さんは「人に伝わるようにゆっくり話す、ということを琴鶴先生から教えてもらった」、藤井さんは「練習も緊張したが、琴鶴先生が優しく教えてくれた」、若槻さんは「みんなの前でやるのが楽しい。琴鶴先生からいろいろなことを教わった」と3人とも達成感のある表情で話した。
「村越茂助 左七文字の由来」などの演目を披露した琴鶴さんは同会終了後、「お客さんを前にすると子どもたちはみんな乗った。お客さんも子どもたちを乗せてくれた。今日は気分良く帰れる」と振り返った。琴鶴さんは、「小学生の頃、国語の授業で音読が上手と褒められたことがきっかけで、中学生になって講談教室に通い始めた」という。
塙保己一の遺徳顕彰を講談で広めたいという目的で立ち上げた「塙保己一を講談で聴く会」の阿奈正子さんは「私たちの思いの第一歩が動き出した」と感無量の表情で話す。「講談の世界を子どもに教えること、演じることで、永く語り続けられるように、子ども講談教室も開いていきたい」とも。
3人の児童による「子ども講談」の模様はユーチューブ「彩才チャンネル」で視聴できる。