埼玉・美里にある民家の軒先で2羽のツバメが巣作りに励んでおり、住人は昨年の悲劇を繰り返さないように見守っている。
昨年春ツバメが卵を産みひなが孵(かえ)ったが、カラスに巣を壊されてしまい、5匹のひなが死んでしまった。住人の寿々乃舞さんらは「悲しくてとても残念だった」と振り返る。
「今年、もう一度卵を産んでくれるかもと思った」寿々乃さんはカップ麺のカップで補強し、板を打ち付けて強度を増して、ツバメがやって来る日を待っていた。「いつまでも来ないので、何年間かは来なくなってしまうかも」と諦めかけていたという。
4月27日、2羽のツバメがやって来たことを知り、寿々乃さんは「すごくかわいい。遠くから命がけで渡ってくるツバメに敬意を払いたいくらい。来てくれてありがとう」と話す。「新型コロナ感染拡大で外出自粛が求められている中で室内から眺めるツバメの巣は毎日の楽しみになる。今年こそはカラスからツバメを守ってあげたい」とも。
寿々乃さんは3月、美里町観光大使に就任。「新型コロナ感染症拡大のため、イベントなどはしばらく中止になるが、必ずできるときがくると思うので、ぜひ力を貸してほしい」と原田信次町長から依頼された寿々乃さん。「ツバメに勇気づけられる。美里町のマスコットキャラクター『ミムリン』は頭と体が町特産のブルーベリーになった鳥をイメージしている。観光大使として町の活性化に微力ながらも貢献できるように、ツバメに負けないで頑張ろうと決意を新たにした」と話す。