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台湾の農業従事者が食農研修 有機農業を営む上里町の農場など視察

須賀農場のハウスを視察する台湾から来日した農業従事者ら

須賀農場のハウスを視察する台湾から来日した農業従事者ら

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 台湾から来日した農業従事者らが4月9日、上里町の農場を訪れるなどして食農研修を受けた。

「kura-farm(クラファーム)」が取り組む「スマート農業を取り入れたミニトマト栽培」

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 視察に訪れた20人の農業従事者は賀美公民館(上里町金久保)で、食農教育研修などを行う「農和(のわ)」(神川町渡瀬)の須賀恵美(めぐみ)さんによる、恵美さんの父・利治さんが取り組んだ「自然農法の取り組み~自然循環を活かした土づくり~」がテーマの講演を受講。その後、有機農業を営む「須賀農場」(上里町金久保)を視察した。台湾では2019年5月、有機農業促進が施行された。2020年7月末の時点で有機認証された農地面積は1万ヘクタールを超え、アジアでもトップレベル。

 続いて、「スマート農業を取り入れたミニトマト栽培」に取り組む「kura-farm(クラファーム)」(本庄市児玉町金屋)を視察。台湾農業省は2017年以来、「スマート農業プログラム」を積極的に推進している。同農園は、ハウス50アール、露地6ヘクタールの敷地で施設野菜と露地野菜を栽培。今年2月、ハウスを建てた際に施設内の環境(温度・湿度等)を機械が自動で調整するオランダ製のシステムを導入。農薬を散布する回数を大幅に減少しても、よく育つようになったという。ハウスの屋根材はAGCのフッ素フィルム「エフクリーン」で、ビニールに比べて太陽光線の透過率が高い上、長期間使ってもほとんど変色しないため、その透過率はほとんど変わらないという。

 ランチ時には、本庄のカフェ&レストラン「ハナファームキッチン」(早稲田の杜3)で須賀農場の有機小カブ、クラファームの野菜を使った料理を提供した。須賀さんは「地元野菜のPRだけでなく、視察した野菜が主役の料理を食べることで、本庄や上里をもっと好きになってもらえたら」と期待を寄せる。

 須賀さんらは2023年より、日本と台湾で食農研修を行い交流してきた。「研修を通して、農業の発展だけでなく、国際交流をして友好の輪を広げることで地域活性につなげたい」と話す。

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