食べる 暮らす・働く 学ぶ・知る

本庄のソウルフード「ナピラ」小・中学校の給食メニューに登場 

本庄上里学校給食センターで約2200食(小学校5校で提供分)の「ナピラ」を作る調理員ら(写真提供=本庄上里学校給食センター)

本庄上里学校給食センターで約2200食(小学校5校で提供分)の「ナピラ」を作る調理員ら(写真提供=本庄上里学校給食センター)

  • 264

  •  

 本庄上里学校給食センター(本庄市小島南1)が提供する1月19日の給食メニューに「ナピラ」が初めて登場し、本庄市内の小学校5校で提供された。

本庄市内の5小学校で1月19日に提供された給食(ナピラ・かき玉うどん・肉野菜炒め・牛乳)

[広告]

 学校給食は1889(明治22)年、山形県鶴岡市の私立忠愛小学校で、弁当を持ってくることができない児童を対象に昼食(おにぎり・焼き魚・漬物)を出したのが始まりだという。

 全国学校給食週間(1月24日~30日)が始まるのに合わせて提供することになった「ナピラ」は「納豆ピザライス」の略称で、本庄のソウルフードの一つ。40年ほど前、同市を中心とする埼玉県北部地域の喫茶店で提供され始めたメニュー。昔ながらの喫茶店の減少とともに食べる機会が少なくなったが、世代を超えて家庭や飲食店で受け継がれてきた。

 昨年7月、同センターを運営する「本庄上里学校給食組合」の教育委員から「給食メニューにナピラを加えては」という提案があり、同センターでは8月にナピラを扱っている地元の店からナピラを取り寄せて試食し検討した。

 1月の給食メニューを担当した栄養教諭の黒岩実里(みのり)さんらは「試行錯誤の末、ひきわり納豆、コーン、パセリをライスに混ぜ、チーズをのせて焼くことにした」と話す。19日は10時30分からの配送に間に合うように、9時過ぎからライスと納豆などを混ぜ始め、5分間焼いた。乳製品にアレルギーのある児童生徒向けに、チーズの代わりに豆乳でホワイトルーを作ったという。

 同日の本庄南小学校(栄3)などでの給食メニューは「ナピラ」「かき玉うどん」「肉野菜炒め」と牛乳だった。同小の給食の時間は12時25分~13時15分の50分間。同小4年1組では給食当番が配膳を行った後、栄養教諭の向井未来実(みくみ)さんが「ナピラ」について説明。給食終了後、児童からは「初めて食べた」「おいしい」「また食べたい」などの声が聞かれた。

 同センターの加藤久美子所長は「約6800人の子どもたちが食べる給食に本庄市のご当地グルメのナピラをメニューにすることで、地元地域への愛着を深めてほしい。納豆を使ったメニューなので好き嫌いがあると思うが、納豆を使う栄養豊富なご当地グルメ『ナピラ』を食べて好きになって、地元愛を深めてほしい。上里町の子どもにもおいしくナピラを食べてほしい」と話す。

 調理を担当する「東洋食品」総括責任者の大木匡(ただし)さんは「いろいろな方々の協力があって実現した」と話す。調理員らは調理終了後「初めての試みで、納豆をカップに入れるのが、ネバネバしていて大変だったが、子どもたちにおいしく食べてもらえたらうれしい」と話す。

 22日に小学校8校、23日に中学校5校の給食でも提供される。

 同市では、本庄商工会議所青年部有志およびOBで結成された「ナピラにKoiして委員会」が、ナピラを提供する店を巡る企画「ナピラに恋するスタンプラリー」を1月31日まで行っている。「昔愛されていた納豆ピザライスに再び光を当てたい」と意欲を見せる高岸利之委員長らは22日、同センターでナピラがメニューに入った給食を食べる予定。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース