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上里町の公立小で弾道ミサイル飛来を想定した避難訓練 国・県・町が共催

教室内でガラス窓から離れヘルメットをかぶり、身をかがめる児童ら

教室内でガラス窓から離れヘルメットをかぶり、身をかがめる児童ら

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 弾道ミサイルを想定した避難訓練が12月19日、上里町立神保原小学校(上里町神保原)で行われた。同町と内閣官房、総務省消防庁、埼玉県との共催。

体育館内に整列して頭を手で押さえながら身をかがめる神保原小の児童ら

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 14時44分、「訓練、訓練、ただ今弾道ミサイルが発射されました。上里町周辺に落下の恐れがあります。危険ですので児童の皆さんは避難の態勢になりましょう」という校内放送が流れた。グランドで体育の授業を受けていた児童らは体育館内に整列して頭を手で押さえながら身をかがめ、校舎内で授業を受けていた児童らはガラス窓から離れて教室の廊下側に登下校時のヘルメットをかぶって移動し身をかがめた。

 今年県内で唯一実施した同町だったが、全国瞬時警報システム(Jアラート)のサイレンは児童らを動揺させないようにするためという判断から鳴らさなかった。訓練には、同小児童約140人と教員らが参加した。

 訓練終了後、体育館に集合した全校児童に山下博一町長は「いろいろな場面に出くわしたときに、本日の訓練で学んだことを思い出して、自分の命を自ら守る行動を取ってほしい。訓練に先立つ授業の中で平和の大切さを学んでくれている。世界中の全ての人が安心して暮らせる社会になるように力を合わせていこう」と呼びかけた。

 内閣官房の野中健太郎参事官補佐は「この度の訓練に当たっては県民の方々からさまざまな意見があったと聞いている。おうちの方に今日の訓練のことを話したり、事が起こったとき、どう行動すればいいかを一緒に考えたりしてほしい」、秋山高宏校長は「5月には不審者(が現れたとき)の避難訓練、9月には火災の避難訓練、今日はJアラートの避難訓練を行った。集団の場所で身を守ることができるように今日のような避難訓練をするが、避難することがないことが一番。Jアラートを鳴らさないためには、平和であることが大切。世界にはさまざまな人種が暮らしていて、多様な文化、多様な価値観があふれている。自分との違いを受け入れる力が平和な社会には必要」と、それぞれ話した。

 児童会長の上島(かみしま)瑠々花さんは「神保原小学校のみんなで平和について考えながら鶴を折った。私たちの願いを受け取って」と話し、児童3人が山下町長、野中さん、危機管理防災部危機管理課長の内田浩明さんに折り鶴を手渡した。

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