本庄商工会議所(本庄市朝日町3)が「本庄メタバースオフィス(仮想空間)」を開設して2月1日で3カ月がたった。
同会議所は2020年、本庄市と連携して地元企業のDX化を図ることを目的に「ICT利活用経営相談窓口」を設置。「ITなくして企業の繁栄はなし」という狩野輝昭会頭の考えから、中小企業や小規模事業者へ訪問するなどして延べ1000件以上のITサポート行ってきた。
一方、地元企業にはビジネスモデル変革を支援できる「DX人材」が不足しており、困り事をどこに相談していいのかが分からないという課題を抱えている現実があるという。
さまざまなシーンでデジタル化を推進する同会議所は昨年11月、地域発展のためのコミュニティー形成、地域のITスキルのボトムアップを図ることを目的に「本庄メタバースオフィス」を開設した。
同オフィスの利用は予約制で、VRゴーグルなしでPCから利用できる。個別に接客できる相談型の「会員企業紹介ブース」、セミナールーム、応接型の「会頭室」など6部屋から成る。
「街バル紹介ブース」では、画像データをアップロードすることで室内にポスターやパンフレットなどを表示でき、壁にホームページを貼り付けることもできる。同オフィスの壁面には検索エンジンもリンク可能で、画面を拡大・縮小できる。
セミナールームでは大人数で会議ができる。円卓会議などテーブルのパターンを変えることができるほか、テーブルのないオープンスペースにすることも可能。スライドを使って講演会やセミナーも開催できる。
同オフィスは、壁にロゴやホームページへのリンクを貼るなど、利用者が自由に編集できる。同オフィス内を歩く職員に話しかけることもでき、自由にくつろげるスペースもある。
同会議所の蓮沼康永さんは「中小企業にとって身近に相談できる当所の職員が支援することで、社長を中心に社員や従業員などのITに対する心理的なハードルを下げ、ITを利用するきっかけづくりができれば」と話す。「利用対象者は、現時点では本庄商工会議所の会員事業所などに限定しているが、将来的には誰でも利用できるようにしていきたい。企業の人材採用にも活用してほしい」とも。
併せて、「自社のDX化を推進することにより、代表者や従業員のITリテラシーの向上をはじめ、多様なサービスや事業の創出、生産性向上につなげてほしい」と期待を込める。「ゆくゆくはメタバースならではのイベントも企画していきたい」とも。