埼玉・美里の「美里オーストリッチファーム」(美里町白石、TEL 0495-71-6838)がオーストリッチ事業を始めて20年目に入った。
林屋コンクリート工業(東京都板橋区)が、バブル期以降使っていなかった約1万坪の敷地でダチョウの飼育を始めたのは2003(平成15)年3月。現在、同ファームでは63羽の成鳥、雛と若鶏60羽、合わせて約120羽を飼育している。
北海道の帯広畜産大学畜産学部卒業の吉野友子さんは飼養衛生管理者の資格を持つ。大学卒業後、北海道の障がい者支援施設で障がい者乗馬の仕事に携わっていたが、2年前に同社に転職した。
吉野さんは「中学高校時代は吹奏楽部に所属していたが、動物が大好きで動物に関わる仕事がしたいと思い進学。大学ではサークルでダチョウの世話をする機会があり、馬やダチョウなどの大動物に関係する仕事に就きたいという思いになった」と振り返る。
「ダチョウは丈夫な体をしており、粗食でも育つといわれているが、ストレスに弱く、物音に敏感で、大きい音や騒音でパニックを起こして走り回り、柵に激突してしまうことがあるので、ストレスを与えないように気をつけている」と話す。
ダチョウの肉は低脂肪高タンパクでヘルシーな「ベジタブルミート」と言われており、同町のふるさと納税の返礼品にもなっている。直売所では、ダチョウ肉やダチョウ卵を使ったアイスクリーム、どら焼きを販売している。吉野さんは「食肉はもちろん、油を使った化粧品にも力を入れていく」と話す。
直売所内に今秋オープン予定の博物館には、剥製や骨格標本、卵殻などを展示する予定で準備を進めている。
直売所の営業時間は10時~15時。土曜・日曜・祝日定休。見学する場合の入園料は、大人=200円、小人無料。