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本庄の菓子店が「焼きナスアイス」製造販売 食品ロス対策で規格外ナス使用

新商品「焼きナスアイス」を手にする店主の渡辺美津子さん

新商品「焼きナスアイス」を手にする店主の渡辺美津子さん

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 本庄・児玉で焼き菓子と自家製シロップを製造・販売する「Heart song (ハートソング)」(本庄市児玉町共栄、TEL 0495-72-9586)が8月、規格外のナスを使った新商品「焼きナスアイス」の販売を始めた。

「ハートソング」の外観

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 同市は県内1位のナスの生産地。みずみずしくて皮の柔らかいナスは、葉の影で傷ができてしまうような敏感な一面があるため、品質に問題がなくても出荷できない規格外のナスが存在する。

 店主の渡辺美津子さんは「低温でじっくり焼いた『児玉なす』の皮を取り、氷でしめたものをペーストにして、隠し味の赤みそと共にバニラアイスに練り込んでみたところ、くせもなく、なすの食感も程よかった」と話す。

 2004(平成16)年5月にオープンした同店。渡辺さんは、以前から食品ロスに関心があり、2007(平成19)年には長野県でリンゴが台風で木から落ちてしまったニュースを見て、出荷できなくなったリンゴを使って菓子を作りたいを思い、直接リンゴ農家に電話してそれらのリンゴを買い取ったという。食品ロスへの取り組みとして、気候変動などで災害があった地域の果実や、味は問題ないが形がふぞろい、傷があるなどの理由で市場に出せない農作物がある場合、それらを使って菓子やシロップ、アイスクリームを作っているという。

 渡辺さんは「Heart songという店名は、2人兄弟で1人を亡くした人がその兄弟のことを思って作ったという外国の歌があり、母を亡くした自分と似ていると思い名付けた」と話す。「小さい頃から母が料理や菓子をよく作ってくれた。闘病中だった母親に、元気になったら一緒に菓子店をしようと励ますと、笑顔になった」と振り返る渡辺さん。「高校卒業後、一般企業に就職したが、菓子店を開くのが夢だったので1年後退職し、神戸の菓子店で修業後、児玉に戻り店を出した」と話す。「開店当初は順調ではなかったが、リピートで来てくれる客が温かい声をかけてくれて本当に嬉しかった」とも。

 同店は今年、「埼玉県環境SDGs取組企業」として承認された。

 営業時間は11時~18時。木曜・金曜・土曜のみ営業(焼き菓子が売り切れたら閉店)。

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