在ニカラグア大使の荻野正裕です。本庄市児玉町蛭川の出身です。共和小学校、児玉中学校、そして本庄高校で学び、18歳まで本庄市で暮らしました。今でも実家と我が家のお墓が蛭川にあり、帰国の際には本庄市に戻ります。大学卒業後の1987(昭和62)年に外務省に入省し、主に中南米諸国と日本との外交関係に携わってきました。これまでにスペイン、ベネズエラ、メキシコ、チリ、ブラジル、米国に赴任しました。
このたび、在ニカラグア駐箚特命全権大使を命じられ、10月18日に着任しましたが、本庄経済新聞で、私のニカラグアでの活動を紹介させていただけることになりました。
ニカラグアについてご存じの方はほとんどいらっしゃらないと思います。ニカラグアはメキシコから南米大陸につながる細長い中米地峡の中心に位置する熱帯の国です。面積は北海道と九州を合わせた程度で、日本の1/3しかありません。人口は約700万人ですので、埼玉県と同程度です。太平洋とカリブ海に面していて、50以上の火山があるとともに、琵琶湖の13倍の大きさのニカラグア湖を始め、たくさんの湖が点在しているので、別名、火山と湖の国と呼ばれています。 そんなニカラグアの魅力を、これからお伝えしていきたいと思います。また、日本国内に住んでいると、日本の外交官の活動に接することはあまりないかなと思います。海外の日本大使館がどのような活動を行っているか、本庄出身の大使を通じて紹介させていただければと思います。
10月18日にニカラグアの首都マナグアに到着し、翌19日に外務大臣に天皇陛下からオルテガ大統領に宛てた私の信任状の写を渡しました(オリジナルは、別途、大統領自身に渡します。)。この信任状の写を相手国政府に渡さないと、大使としては認められず、正式な活動が出来ません。到着翌日、週末にもかかわらず、信任状の写を早速受け取っていただいたニカラグア政府、特にジェンスケ外相には感謝したいと思います。それは日本への友好の証でもあります。
お陰で、10月22日に行われた日本の協力案件の式典に参加することが出来ました。円借款プログラムでムルククという街の近くにかかる橋を建設する計画で、その起工式にニカラグア政府のモヒカ運輸インフラ大臣と一緒に出席しました。
日本の大使として顔を売ることは私の重要な仕事の一つです。現地のTV局に出演してインタビューを受けました。また、日本に関心をもっているニカラグア人の輪を広げることは、ニカラグアで日本のプレゼンスを大きくする上で欠かせません。ニカラグアには日本を大好きな人々が日本アミーゴの会(アミーゴはスペイン語で友達)を結成されていて、挨拶に来てくれました。これから、日本文化の紹介などでご支援をお願いしたいと思います。また、ニカラグアは空手が盛んです。11月17日、初めての日本杯トーナンメントが開催され、子供たちにトロフィーを渡しました。どの国に行っても、子供たちの笑顔は素敵ですね。
こうして、ニカラグアでの生活が始まりました。同僚の各国大使からは、ニカラグアの自然の美しさ、人々の暖かさについてよく聞きます。次回からニカラグアの魅力や、日本との関係について紹介していきたい思います。
▲10月22日に実施されたムルクク橋建設計画の起工式
(握手しているのはモヒカ運輸・インフラ大臣)
▲同じ起工式で、JICAやムルクク橋の建設に携わる日本関係者のみなさん
(後ろの写真はムルクク橋の完成予想です)
▲11月17日、第1回の空手日本杯に出席しました
▲11月13日、TVインタビューを受けました
▲11月26日、日本友の会のみなさんが大使館を訪ねてくれました
以上、在ニカラグア日本国大使館 特命全権大使・荻野正裕さん(埼玉県本庄市出身・県立本庄高校卒)からの「ニカラグア便り」でした。