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梨を配って「事故なし」呼びかけ 神川町の交通死亡事故ゼロ3000日超に

ドライバーに梨を手渡して「事故なし(梨)」を呼びかける「交通安全母の会」の岡田千尋さん

ドライバーに梨を手渡して「事故なし(梨)」を呼びかける「交通安全母の会」の岡田千尋さん

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 埼玉・神川の国道254号沿いにある「神川町コミュニティ運動広場」(神川町八日市)で8月24日、「交通安全母の会」会員らが同町特産品の梨をドライバーに配布して、「交通安全で事故なし」を呼びかけた。

神川町の「事故なし(梨)キャンペーン」で、児玉警察署員が「コミュニティ運動広場」内に車を誘導

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 同イベントは1988(昭和63 )年から毎年開催していたが、コロナ禍で3年間中止した後、昨年4年ぶりに復活し、今回34回目の開催となった。同町梨出荷組合連合会の協力により2Lサイズの「幸水(こうすい)」360個を用意。交通安全広報大使のマスコットキャラクター「なっちゃん」も駆け付けた。

 桜沢晃町長は「(町内の)交通死亡事故ゼロ更新日数が3000日を超えた。これからも日数を延ばせるように取り組みたい」と決意を新たにした。同町では、2016(平成28)年2月6日から3130日(9月1日時点)、交通死亡事故ゼロを継続中。現在、県内の「市町村別交通死亡事故ゼロ更新日数」の1位は鳩山町で、2位は小鹿野町。児玉警察署の井内慶一署長は「毎年の(事故なし)キャンペーンが、神川町の交通事故抑止につながっている。非常にインパクトがあり、有意義なキャンペーン」と話した。

 当日、児玉警察署員が会場である運動広場内に車を誘導。井内署長、桜沢町長はじめ「交通安全母の会」会員らがドライバーに梨と交通安全啓発品を手渡した。同会会員の岡田千尋さんは「神川の梨を通じて、交通安全に対する意識が高まれば」と期待を込める。地域おこし協力隊として2021年10月から同町内で梨栽培を学んでいる3代目協力隊員・田口友理さんも参加して、ドライバーに「事故なしでお願いします」と安全運転を呼びかけた。

 神流(かんな)川が形成した豊かな扇状地が広がり、きれいな水と豊かな土壌が豊富にあることから梨栽培に適した環境となっている神川地域。梨栽培は明治元年ごろに四軒在家で始まり、栽培技術の研究の積み重ねが今日の発展につながったという。同町内の国道254号線沿いは「梨街道」とも呼ばれ、道路の両側や周辺に梨の直売所が立ち並び、8月~10月に営業している。梨は同町のマスコットキャラクター「なっちゃん」のモチーフにもなっている。

 同町経済観光課の吉田拓二さんは「夏の風物詩となっている事故なし(梨)キャンペーンを通じて神川町をPRできたら」と話し、「自然豊かで梨もおいしいので、ぜひ訪れてほしい」と呼びかける。

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