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東京DMAT関係者、上里「飛行場構想」候補地視察 首都直下地震見据える

烏川河川敷を視察する東京DMAT運営協議会の山口芳裕会長(左)と山下博一上里町長

烏川河川敷を視察する東京DMAT運営協議会の山口芳裕会長(左)と山下博一上里町長

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 東京DMAT運営協議会長らが8月21日、「上武連携構想」で飛行場建設候補地となっている上里ゴルフ場(上里町黛)北側の烏川河川敷を視察した。

上里ゴルフ場クラブハウスで記者会見する、東京DMAT運営協議会の山口芳裕会長、国際遠隔病院機構の唐川伸幸理事、山下博一上里町長

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 東京DMATは、専門的なトレーニングを受けた医師や看護師が医療器具を携えて現場に急行し、その場で救命処置などを行う災害医療派遣チーム。同協議会長の山口芳裕・杏林大学医学部救急医療高度救命救急センター主任教授、国際遠隔病院機構の唐川伸幸理事らは、山下博一上里町長らと同地域を訪れ、上里ゴルフ場裏に広がる河原や「忍保(おしぼ)パブリック公園」裏に向かう道などを視察した。

 「上武地域」と言われる、本庄市・深谷市・上里町・美里町・神川町(以上、埼玉県)、前橋市・高崎市・伊勢崎市・藤岡市・玉村町(以上、群馬県)の10市町の首長らによって、2022年に発足した「上武連携構想」勉強会。伊勢崎市役所で昨年11月に行われた2回目の勉強会の講師は、国交省航空局の蔵持京治・航空ネットワーク部長。蔵持部長の説明後、意見交換を行い「航空物流の拠点整備の可能性などを探ることで一致した」ことで、同構想の一つとして、空港建設がひときわ注目されるようになった。同会で山下町長は「首都直下地震を見据え、災害救助の観点からも内陸部に空港を造る必要性」を説いた。

 首都直下地震に備え、被災地内で対応が困難な重症患者を域外へ搬送し、必要な医療の提供を可能とするための首都圏医療バックアップ体制の構築に向けて、飛行場建設に向けて調査・研究を始めている同町内の候補地を視察した山口会長。

 中央防災会義首都直下地震対策検討ワーキンググループによる「首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)」では、想定される首都直下地震の被害は、死者約2万3000人、負傷者約12万3000人。医療機関そのものにも甚大な被害が想定されており、災害拠点病院を含めた多数の病院避難の必要性や、道路状況の悪化による人的支援・物資支援の遅延が予想される」と、内閣府の「首都直下地震における具体的な応急活動に関する計画」では「緊急ルート・救助・医療・物資・燃料の各分野からの支援体制整備が進められているが、特に医療活動に関する体制整備が急がれる」と書かれていると、山口会長は今回の視察の趣意を述べる。

 山下町長は「空域課題の是正に向けた要望を国に働きかけつつ、段階的整備を検討できれば」と力を込める。「いずれの段階でも『広域防災拠点』としての役割を果たしたい」とも。

 視察後、山口会長は「東京DMATや都庁関係者に報告したい」と話した。

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