大野元裕埼玉県知事が10月20日、「西崎キクと埼玉県の女性偉人たち展」が開かれている上里町立郷土資料館(上里町七本木)を訪れ、山下博一町長と「西崎キクかるた」で対戦した。
「ふれあい訪問」で上里町立郷土資料館を訪れた大野元裕埼玉県知事と林道義学芸員ら
「ふれあい訪問」として同館を訪れた大野知事は同展を視察し、キクの功績や女性たちの歩みについて同町教育委員会の林道義学芸員から説明を受けた。その後、山下町長と共にカルタ取りを体験。読み札が読まれる度に笑顔を交わしながら、和やかな雰囲気で札を取り合った。
西崎キクは1912(大正元)年、児玉郡七本木村(現、上里町)に生まれ、1933(昭和8)年に日本人女性初の水上操縦士となった。翌1934(昭和9)年には羽田~新京間2440キロを14日間で飛行し、日本人女性初の海外飛行を達成した。
女性活躍の先駆者としての功績を伝えるため、上里町男女共同参画アドバイザーの会が2010(平成22)年に発足し、2013(平成25)年には「西崎キク大型紙芝居」を制作。その後、同会を母体に2016(平成28)年にアドバイザー紙芝居部が発足し、2024年8月に「西崎キクかるた」を完成させた。同町は2025年1月には、日本人女性初の海外飛行90周年を記念して「西崎キク特別展」開いた。
片倉す寿子(すずこ)さんら同町アドバイザー紙芝居部が制作したかるたは、絵札と読み札それぞれ46枚で構成され、「嬉(うれ)しいな 十六歳で小学校の教師になる」「海外へ 初飛行の白菊(しらぎく)号」「たった一度の人生だから 可能性を追い求めよう」「雲のじゅうたん NHKドラマでモデルの一人となり」など、キクの生涯を表現している。
イオンタウン上里(金久保)で18日、片倉さんが会長を務める任意団体「西崎キク未来飛行プロジェクト推進協議会」設立総会と記念コンサートが開かれ、地域住民や記念コンサート出演者がかるたに挑戦。キクの志を次世代へつなぐ動きが広がっている。