
埼玉・神川の国道254号沿いにある「神川町コミュニティ運動広場」(神川町八日市)で8月23日、「交通安全母の会」会員らが神川町特産品の梨をドライバーに配布して梨をPRするとともに、交通安全を呼びかけた。
神川町「事故なし(梨)キャンペーン」で会場内に車を誘導する児玉警察署員
同イベントは1988(昭和63 )年から、コロナ禍を除き毎年開催していて夏の風物詩となっており、今年35回目。同町梨出荷組合連合会の協力により2Lサイズの「幸水(こうすい)」360個を用意。同町のマスコットキャラクター「なっちゃん」も駆け付けた。
桜沢晃町長は「(町内の)交通死亡事故ゼロ更新日数が約9年半続いている。これからも日数を伸ばせるように取り組みたい」と決意を新たにした。同町では、2016(平成28)年2月6日から3505日(9月11日時点)、交通死亡事故ゼロを継続中。現在、県内の「市町村別交通死亡事故ゼロ更新日数」の1位は鳩山町で、2位は小鹿野町。
児玉警察署の井内慶一署長は「児玉署と言えば『事故なしキャンペーン』と話すことがよくある。県内で認知度の高いイベントの一つ。現在、児玉署管内の死亡事故ゼロは4年継続している」と話す。
当日、会場である運動広場内に児玉署員が車を誘導。井内署長、桜沢町長はじめ「交通安全母の会」会員らがドライバーに梨と交通安全啓発品を手渡した。「交通安全母の会」会員の田中恵美子さんは「初めて参加した。神川の梨のPRとともに、ドライバーが交通安全をより意識してくれれば」と話した。
神流(かんな)川が形成した豊かな扇状地が広がり、きれいな水と豊かな土壌が豊富にあることから梨栽培に適した環境となっている神川地域。梨栽培は明治元年ごろに四軒在家で始まり、栽培技術の研究の積み重ねが今日の発展につながったという。同町内の国道254号線沿いは「梨街道」とも呼ばれ、道路の両側や周辺に梨の直売所が立ち並び、8月~10月に営業している。梨は同町のマスコットキャラクター「なっちゃん」のモチーフにもなっている。
同町防災環境課の平井陽浩さんは「神川町は街道沿いにおいしい梨の直売所がたくさんある。今年もおいしい梨がたくさんできているので、交通事故に気を付けて神川町に来てほしい」と呼びかける。