JR高崎線本庄駅内にある「本庄市役所インフォメーションセンター」で10月4日、「日本シルクロードときめきの会」の会長、茂木一園さんによる講座が開かれる。
同イベントは、まちの駅ネットワーク本庄が毎月1回自主事業として行っている「勝手に本庄のまちコンシェルジュ」の月例講座。同NPOは、本庄地域のまちづくり、まちの活性化を推進し、地域住民、地域を訪れた人と人との交流を促進して人に優しいまちづくりを目指している。
昔から、高崎~秩父地方は、赤城山から吹き下ろす乾いた風、通称「からっ風」により、降水量が少なく、さらに山間部だったため、農耕には向かない土地だった。かつて、中山(なかせん)道の宿場町として栄えた本庄町とその周辺地域では、比較的山間部でも育てやすい桑の木を植え、養蚕業が広まり、幕末期から繭の集散地として繁栄した。1894(明治27)年に開業した「本庄商業銀行」には、融資の担保となった大量の繭を保管するための倉庫が1896(明治29)年に建てられた。同倉庫は、現在、「旧本庄商業銀行煉瓦(れんが)倉庫」として、保存・活用されている。
当時、関東周辺の生糸や絹織物は大八車や馬の背に積まれ、前橋~杉ノ峠(群馬県神流町・埼玉県小鹿野町)~いろは橋(皆野町)~秩父~八王子を経由し、横浜港へ運ばれた。この主要道路を通称「絹の道(シルクロード)」と呼んだという。1884(明治17)年に日本鉄道によって上野~高崎・前橋間ができるまで、この道が絹の輸送ルートになっていた。茂木さんらは、当時の「日本版シルクロード」を道路名として国内に定着させようと活動している。
同NPO代表の阿奈正子さんは「日本版『絹の道』という史実を後世に残しておきたい、絹の道を定着させたいという茂木さんの熱い思いを語ってほしい」と話す。
開催時間は14時~16時。問い合わせ・予約は同センター(TEL0495-22-1690)まで。