梨の産地として知られている埼玉県神川町に9月8日、今年独立100周年を迎えるフィンランド共和国の駐日大使、ユッカ・シウコサーリさんらが訪れ、神川町保健センター(神川町植竹)で「子育てママ懇談会」を行った。
同町では、フィンランドの取り組みを参考にして、埼玉県で初めて今年4月より第1子・第2子を出産した家庭にベビー用品の詰め合わせをプレゼントする事業「かみかわ育児パッケージ」に取り組んでいる。
懇談会には、清水雅之町長、川口フィンランド協会理事長の米竹昭さんに加え、同町在住の萩原さん母子と三木さん母子らが参加した。
「子育てママ」にとって関心事となったのはフィンランドの「ネウボラ(neuvola)」制度と同国の英語教育。
ネウボラは「アドバイスの場」という意味だが、妊娠期から修学期までの子どもの健やかな成長・発達を支援するフィンランドの制度。母親だけでなく、家族全員の心身の健康面のサポートも目的としている。同大使自身も3カ月間、「父親教育」を受けたという。
同国における英語教育について、同大使からは、「フィンランドの国民が英語を流ちょうに話せるのは、テレビの外国映画などを吹き替え無しで放映していることで、小さいころから自然と英語力を身に付けざるを得ない環境にある」という。
フィンランドで広く普及している育児スタートキット「アイティウスパッカウス」(「マタニティボックス」「マタニティパッケージ」ともいわれる)」は元々、民間企業がプレゼントする形でスタートした。その後、政府の運営になった。米竹さんは「フィンランドのネウボラ制度が神川町を皮切りに県内で広く地域住民に浸透していってほしい」と期待を込めた。
懇談会後、近くの「須賀梨園」で梨のもぎ取りの体験と試食を行った。