美里町は8月25日、埼玉工業大学(深谷市)との「連携協力に関する包括協定」に調印した。
原田信次美里町長は「我が町は発展途上の部分がかなりある。元々、農業振興でまちづくりをしてきたが、産業として育成しにくい中で現在を迎えている。小さな町だと、中でいろいろやろうと思っても限界があるので、外の方々とつながることを率先して進めてきた。ここからがスタート。いろいろな提案をしてウィン・ウィンの関係を築いていきたい」と話す。
同大の内山俊一学長は「大学の役割は教育研究や学術振興以外に地域貢献がある。地域と共に発展していきたいと考えている」と話す。「工業大学としての技術が地元の役に立てられたら」とも。
同大人間社会学部情報社会学科の本吉(もとよし)裕之准教授は元々、民間旅行会社で約20年の勤務経験を持つ。本吉准教授は「当大から美里町役場まで車で10分程度。美里町と連携し、町の課題解決に取り組みたい」と前向きな姿勢を見せる。
本吉准教授は、「地域産業振興」「教育・文化発展」「人材育成」「地域づくり」の4つの連携を通じて「美里町の未来を共に作ること」を提案した。
具体的には、ブルーベリーなどの特産物を活用した集客計画、遺跡の森公園社会実験、同大生によるスポーツ支援プロジェクト、美里町健幸(けんこう)にぎわいづくりプロジェクトなど。同大生による同プロジェクトでは、同町内小中学校への「スポーツ指導」連携として、サッカー、卓球、バスケットボール、ラグビーなどの初歩的指導を小中学校の顧問の教員と連携して交流することを挙げる。
本吉准教授は「企業経営・地域創生のプロフェッショナルとして、地元に根付く当大の知見を還元していきたい」と意気込みを見せる。