本庄の旧中山道沿いにある「中山道辛味処 電気舘カレー」(本庄市中央1、TEL 0495-24-4115)が4月、「油そば」をメニューに加えた。
店名は、1914(大正3)年に誕生した埼玉県内最古の映画館「本庄電気舘」に由来する。当時、中山道から本庄電気舘に通じる道は「電気舘通り」とも呼ばれ、多くの観客でにぎわったという。同店は2008(平成20)年、サイセンの金子章社長が「江戸時代、中山道最大の宿場町だった『本庄宿』の活気を取り戻したい」という願いを込めてオープンした。
子どもの頃は「撮り鉄」で将来の夢は「国鉄」で働くことだったという宮崎洋介さんは30歳の頃、父が経営するレストラン「もんどーる」を引き継ぐことになった。宮崎さんは自営の店を閉じた後、人材派遣会社などで働いていたが、金子社長の誘いで2016(平成28)年10月、「電気舘カレー」の店主を引き受けることを決めた。「金子社長には感謝の気持ちでいっぱい」と話す宮崎さん。「元々カレー専門店だったが、カレー以外のメニューを豊富に取りそろえるようになった」とも。
昨年、新型コロナ感染拡大防止のため営業を自粛していた宮崎さんは、伊勢崎のラーメン店に行く機会があったという。昨年9月、店のスタッフらと同店に行った宮崎さんは、初めて同店の「油そば」を口にしたという。宮崎さんは「食べて感銘を受けたので、自分で作りたくなった」と振り返る。
宮崎さんは独自の油そばを完成させようと試行錯誤を重ね、メニューに加えた。価格は750円(5月25日時点)。「告知は新メニューのお知らせをSNSで行った程度」と話す。ただ、「予想を上回る反響があった。ここ1カ月、油そばをほとんど毎日食べに来てくれる人もいる。市外からも来てくれる」と宮崎さん。「カレー専門店の看板を出しているので、今度は新メニューとしてスパイスカレーに挑戦したい」と意気込みを見せる。
営業時間は12時~14時、17時30分~23時。火曜定休。