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上里菅原神社で年越し神事 ウクライナ出身の権禰宜が世界平和を祈願

上里菅原神社の権禰宜・梅林テチャナさん

上里菅原神社の権禰宜・梅林テチャナさん

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 上里菅原神社(上里町帯刀)の権禰宜(ごんねぎ)を務める梅林テチャナさん(ウクライナ出身)が12月31日、故郷ウクライナと世界の平和を願い、氏子らと社殿で祈りを捧げた。

上里菅原神社の初詣の様子

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 同神社は、「学問の神様」として知られる菅原道真公を祭っている。平安時代、道真公が九州・大宰府で没した903年、その御意を全国に広めるため、陰陽博士の紀友成(きのともなり)が日本回国の旅に出発。同年5月、当地に立ち寄ったことをきっかけに社殿が創建されたと伝えられている。

 梅林正樹宮司は国学院大学大学院文学研究科修士課程を修了。2021年12月、父・肇(はじめ)さんの引退に伴い、宮司に就任した。妻のテチャナさんはウクライナの大学で英語と日本語を専攻。正樹さんの留学中に知り合い、2009年(平成21年)10月、結婚を機に来日した。2020年2月には、国学院大学で神社本庁が実施する神職養成講習会を約1カ月半受講し、同年5月5日付で直階の階位を取得。同年6月1日付で権禰宜に任命された。

 2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が始まると、テチャナさんは「Stand With Ukraine(ウクライナと共に)」などと記した御朱印をSNSに投稿。神職としての立場から平和への願いを示す取り組みが注目を集め、地域内外から多くの人が同神社を訪れるようになった。

 侵攻から1年となる2023年2月23日には、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使(当時)夫妻をはじめ、大使館職員ら16人が同神社を訪問した。

 来日から16年がたったテチャナさんは、祖国に残る親族や友人を思い、祈りを捧げ続けている。こうした取り組みを通じ、地域の人々の間でも世界平和への意識が高まっているという。

 大みそかの夜、23時50分ごろから年越し大祓(おおはらえ)神事が始まり、テチャナさんが祝詞を奏上。今、この世界で起きている戦争の禍による闇が祓(はら)われ、苦しむ人々が以前のおだやかな暮らしに戻ることを願い、祈りを捧げた。同神社での様子は、NHKの番組「ゆく年くる年」で23時55分ごろから生中継された。

 神社を訪れた金井明人さん(上里町在住)は「遠い故郷に思いを寄せるテチャナさんを地元の皆さんが温かく包み込み、共に平和を祈る光景に心を打たれた。『ゆく年』の憂いを超え、地域の絆がともす祈りのぬくもりが『くる年』を照らす希望になると信じている」と話していた。

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