東京五輪・女子柔道70キロ級金メダリストの新井千鶴さんが11月16日、児玉警察署の一日警察署長を務めた。
児玉署一日警察署長の新井千鶴さんと、出発式で自転車の模範走行を披露した本庄市立秋平小学校の児童7人
新井さんは2021年の東京五輪や2018(平成30)年、2017(平成29)年の世界選手権などで金メダルを獲得。寄居町出身で、児玉高校卒業後、三井住友海上へ入社し、東京五輪後の2021年9月、現役を引退した。
県立児玉高校(本庄市児玉町金屋)体育館で行われた年末特別警戒のための「冬の交通事故防止運動出発式」に登場した新井さんに、井内慶一児玉署長が委嘱書を手渡した。
新井さんは「犯罪や交通事故が多く発生するこの年末に、地元の皆さんが被害に遭わないように役に立てればという思い。児玉署管内では今年になって犯罪や交通事故が増えていると聞いた。児玉署、関係団体、そして(児玉署管内の)本庄市児玉町、神川町、美里町の人々が協力し合うことで、少しでも安全で安心して暮らせるように」と話した。
出発式では、児童・生徒が新井さんへ質問したほか、6月28日にくまがやドームで行われた「第57回交通安全こども自転車埼玉県大会」で4位になった秋平小学校(児玉町秋山)の児童が自転車の模範走行を披露した。
続いて行われたスーパーマーケット「フレッセイ児玉店」(児玉町八幡山)での店頭キャンペーンには100人以上の地域住民が集まった。新井さんは買い物客らに啓発品を手渡しながら、「お金を振り込む前に誰かに相談 被害ゼロ」「交通ルール みんなで守り 事故ゼロへ」と呼びかけ、振り込め詐欺防止や交通安全を訴えた。赤城乳業のマスコット「ガリガリ君」がデザインされた啓発品は、子どもから大人まで幅広い世代が受け取っていた。
児玉署では当日、井内署長から新井さんに「一日警察署長として防犯・交通安全意識の高揚に多大な協力をした」として感謝状を贈った。新井さんは「多くの皆さんに集まっていただき、貴重な経験ができた。年末まであとわずかなので、気持ちを引き締めて、健康、安全に過ごしていただければ」と呼びかけた。