美里町は11月13日、TREホールディングス(東京都千代田区)とグループ企業のリバー(墨田区)の2社と「環境課題等に関する包括連携協定」を締結した。環境対策や災害時支援などで協力し、町内の循環型社会づくりを進める。両社が自治体と包括連携協定を結ぶのは今回が初めて。
美里町役場で行われた「環境課題等に関する包括連携協定」の調印式
調印式は美里町役場で行われ、原田信次町長、TREの阿部光男社長、リバーの松岡直人社長が出席した。
協定書では、環境の保全、災害時の協力、環境教育などを協働して進めることを定める。同町の担当者は「行政だけでは難しい課題に企業の力を借りることで、地域に合った環境対策を進めたい」と説明する。
同町とリバー児玉事業所(神川町八日市)は10月18日、同町遺跡の森総合公園(木部)で小型家電の回収イベントを共同で実施した。住民が持ち込んだ家電や金属類、電池などを受け入れ、3時間で小型家電類5130キロ、バッテリー類(リチウムイオン電池製品を含む)160キロ、金属粗大ごみ2290キロ、硬質プラスチックごみ1170キロが集まった。
TREグループは廃棄物の資源化や災害廃棄物処理の実績を持ち、全国で復旧支援にも携わってきた。同町では協定を通じて、災害時の廃棄物処理体制の強化や環境教育の充実、再資源化の普及など幅広い連携に期待を寄せる。
原田町長は「今回の協定を契機に、さまざまな試みに挑戦していきたい。将来的には住民にとって良い協定になるのでは」と期待を込める。「われわれが先陣を切って取り組みを進めていきたい」とも。
阿部社長は「美里町から『美里モデル』が生まれるよう、総力を結集してさまざまな提案をしていきたい」と話し、松岡社長は「公民連携の強化を目標とするTREグループの一員として、地元住民と一体となり、(地域住民の暮らしと環境を守る)取り組みを進めていきたい」と意欲を見せる。