
JR八高(はちこう)線に導入予定の新型車両「HB-E220系」が8月5日と7日、JR高崎線内で試運転を行い、高崎駅と本庄駅を往復した。
神奈川県相模原市からJR本庄駅を訪れた鉄道ファンの男子中学生ら
試運転は「試9830D」から「試9835D」まで計6本が設定され、高崎駅を11時3分に出発した列車が本庄駅に11時30分到着。その後も午後にかけて両駅間を走行し、ホームや沿線には多くの鉄道ファンが詰めかけ、新型車両の姿をカメラに収めた。
今回の試運転に使われたHB-E220系2両は、7月25日から26日にかけて神戸から高崎まで甲種輸送されたもの。HB-E220系は全長22.1メートル。ディーゼルエンジン発電機と蓄電池という2種類の動力源を、単独あるいは組み合わせて動力を発生させる「ディーゼルハイブリッドシステム」を搭載して、従来の液体式気動車と比べて環境への負荷を低減している。八高線での導入に先立ち、高崎線を使用して走行性能や設備面の確認が行われた。
本庄駅のプラットホームには、若い世代の鉄道ファンの姿も見られた。夏休みを利用して、神奈川県相模原市から同駅を訪れた中学生の矢部拓真さんと下田蓮さんは「SNSで知った」「新型は昔の電車より静かなところが魅力」などと話していた。「初めての走行を写真に収めたくて来た」とカメラを構えて撮影する高崎市在住の中学生の姿もあった。
昨年10月に「八高線全線開通90周年」を迎えた八高線は八王子駅(東京都八王子市)と倉賀野駅(群馬県高崎市)を結ぶ全長92キロの路線で、電化区間と非電化区間がある。
埼玉県内では児玉郡市や比企地域を経由する八高線。広域本庄圏には、松久駅(美里町)、児玉駅(本庄市)、丹荘駅(神川町)の3駅があり、地域の通勤・通学や観光を支えている。