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埼玉・上里に完成した「ウナギ養殖場」で初めて池入れ 地元児童らも招待

上里ハルク内の水槽にウナギの稚魚を入れる上里町立賀美小の児童ら

上里ハルク内の水槽にウナギの稚魚を入れる上里町立賀美小の児童ら

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 埼玉・上里に本社を移転した「平沼水産」(上里町勅使河原)は1月16日、県や町などの関係者、地元の児童らを招待して、ウナギを養殖する水槽に初めてウナギの稚魚を入れた。

上里ハルクの「うなぎくん」による「特別授業」

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 当日、「うなぎくん」と名乗り登場した同社取締役の諏訪慶三(すわけいぞう)さんが、招待した賀美(かみ)小5・6年の児童約60人らに「これで君もうなぎ博士だ」と銘打って、ウナギの生態などについて「特別授業」をした後、「日本人古来の食文化を形成しているウナギが絶滅の危機に瀕(ひん)している。皆さんが大好きなウナギ、日本の食文化のウナギを守るために、今、私たち一人一人ができることは何だろうか」と「池入れ式」に参加した児童らに問いかけた。「家族で話し合って、答えが見つかった人はぜひ、上里ハルクに来てほしい」とも。

 ウナギをさばく様子を見学した後、水槽に移動した児童や関係者らは「育てて埼玉」というかけ声を発しながら、ウナギの稚魚「ビリクロコ」を初めて「池入れ」した。同小児童会長の飯島美結(みゆ)さんは「池入れを体験できて良かった。楽しかった」と興奮気味に話していた。池入れした「ビリクロコ」は水槽内で養殖し、今夏の土用の丑(うし)の日までに「池上げ」して出荷する予定だという。

 昨年12月13日に完成した同施設(愛称=上里ハルク)は、研修室、厨房(ちゅうぼう)、養殖エリア、アクアポニックエリア、研究室などから成る。「ハルク(halk)」の名前は、水耕栽培(hydroponics)、水産養殖(aquaculture)、研究室(laboratory)、厨房(kitchen)という同施設の機能・役割の頭文字から命名したという。敷地面積=4230平方メートル、延べ床面積=1114平方メートル、水槽容量=1槽50トン×6槽。

 平沼貴之社長は「平沼水産は2022年9月に起業したスタートアップ企業。日本の未来の食料自給率の向上、次の世代へ食の安心安全を伝承、陸上養殖技術を海外へ展開という3つのチャレンジを掲げている」と話した。同社は、閉鎖型陸上養殖システムメーカー「サイエンス・イノベーション」(さいたま市北区)と業務提携し、同町とは昨年5月12日、包括連携協定を結んでいる。

 同社では昨年5月1日から、関越自動車道下り線の上里サービスエリアなどで「ウナギ玄米焼きおにぎり」をキッチンカーで販売している。

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