神川町役場内の議場で8月3日、同町立神川中学校の生徒15人が参加して「中学生議会」が行われた。議長は同校生徒会長の飯島心花(ここな)さんが務めた。
次代の同町を担う中学生に町議会議場を開放し、まちづくりに対する提案を行うことを通して、町政への関心・理解を深め、併せて行政への参加意識の高揚を図るのが目的。同議会には生徒15人と共に、桜沢晃町長はじめ、副町長、教育委員会教育長、総務課長、総合政策課長、学務課長、生涯学習課長、防災環境課長、建設課長、議会事務局長が出席した。
同校では、5月26日に4年ぶりに全校生徒が体育館に集まって生徒総会を開いたり、クラスごとに学校をよりよくしていくための提言を考えたりしたという。全校生徒311人の中から中学生議員として同議会に出席する14人(7組)を選び、議長を務める飯島さんを含め15人の参加を決めた。
9時30分、開会を告げるブザーとともに議会が始まった。桜沢町長は、冒頭のあいさつで「過去3年間は、新型コロナウィルス感染症により社会経済活動が大きく制限され、人々の生活様式も変わった。これからは、10年先、20年先、30年先を見据え、誰もが住んでいて良かったと思えるまちづくりをしていきたい。今日の体験をきっかけに、日頃から町の課題や行政、地域、学校、家庭で行われていることに関心を深め、神川町を好きになっていただきたい」と呼びかけた。「今後の町政運営の参考にしたい」とも。
生徒たちは「保健センター前の遊び場の安全対策について」「神川中の武道館について」「神川中の駐輪場について」「通学路にある道路信号について」「中央公民館の図書室について」「神川中の制服のリユースについて」「神川町の公式ユーチューブについて」の7つのテーマで質問や提案を行った。再質問した生徒もいた。
「昨年、議員として参加したが、今年は議長ということで不安もあるが頑張りたい」と直前に話していた飯島さんは「自宅で何度も練習したので、かまずに言えて良かった」と振り返った。
議会終了時に福嶋慶治教育長は「これから先、大人になった時も、自分自身の考えを述べる機会が増えると思う。自分の頭で考えて、自分なりに答えを出してみて、他の人の意見と比べたり、新聞やニュースなどを見たりしながら、どうしたらいいかを考えながら、自分の考えを作っていき、生活していってくれれば素晴らしい神川町民になれるのでは」と期待を寄せた。
同町の議員や参加生徒の保護者らと共に傍聴席から議会を傍聴した同校の小野田将大(まさひろ)教諭は「学校の代表として立派に質問してくれた。頼もしく感じた」と話す。