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本庄で塙保己一をテーマに講談 演題は「小笠原諸島の我国帰属由来」

旧本庄商業銀行煉瓦倉庫の外観

旧本庄商業銀行煉瓦倉庫の外観

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 旧本庄商業銀行煉瓦倉庫(本庄市銀座1)で9月20日、講談師の宝井琴梅(きんばい)さんが「小笠原諸島の我国帰属由来」を演台に講談を行う。

講談の会場となる旧本庄商業銀行煉瓦倉庫の多目的ホール

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 琴梅さんは都内の工業高校卒業後、溶接工となったが、講談の魅力にとりつかれ、1966(昭和41)年、12代目田辺南鶴に入門。1968(昭和43)年、5代目宝井琴門下となり琴時(「きんとき」と改名。1975(昭和50)年6月、真打ちに昇進し、宝井琴梅を襲名した。妻は女性初の真打ち講談師、宝井琴桜(きんおう)さん。

 屋外で講談を行う「辻講釈を楽しむ会」を37年前に開いた琴梅さん。川越の連馨寺(れんけいじ)で呑龍上人(どんりゅうしょうにん)の縁日が行われる毎月8日に行う「辻講釈」で、塙保己一(はなわほきいち)をテーマにした講談を披露。7月8日には、「塙保己一を講談で聞く会」メンバー8人が鑑賞に訪れた。講談終了後、琴梅さんはメンバーと共に本庄市内の施設を視察。吉田信解本庄市長を表敬訪問した。

 同施設での講談会を企画した阿奈正子さんらは「埼玉三大偉人の一人といわれている塙保己一先生。来年は『埼玉県誕生150周年』で埼玉の偉人が改めて注目されつつある。市内外を問わず、一人でも多くの人が講談を通して、郷土の偉人、塙保己一翁を学んでほしい」と呼び掛ける。

 1861年、アメリカ、イギリス、ロシアなどとの間に小笠原諸島の帰属問題が持ち上がった際、幕府が、和学講談所の後継者である保己一の息子・塙次郎に小笠原諸島に関する質問状を送った。塙次郎は、保己一が設立した和学講談所に収蔵された資料を詳しく調べ、小笠原諸島が日本の領土であることを証明する歴史資料を即座に提供。その迅速な対応により、小笠原諸島が日本の領土であることが国際的に認められたという。

 塙保己一は同市児玉町保木野生まれ。7歳で失明し、15歳で江戸に旅立った。34歳で「群書類従」の出版を決意し、和学講談所の建設に尽力。「群書類従」は、日本の古代から江戸時代初期に至るまでの古書を集大成した双書だが、塙保己一は1819年、41年の歳月をかけ後世の研究者のために666冊の「群書類従」を完成させた。言葉、視力、聴力を失った三重苦のヘレンケラーが師と慕う。2015(平成27)年12月に立ち上がった「塙保己一物語劇化実行委員会」では3回にわたり地域住民による群読劇「塙保己一物語」を上演。

 13時開場、13時30分開演。チケットは1,000円。フェイスブックイベントページから申し込める。

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