洋菓子のOEM製造などを行う「シェリエ」が運営する「上里いちご&トマト園」(上里町勅使河原)で1月から、「ひらたけ収穫体験」を期間限定で行っている。
きっかけは、同園スタッフらが昨年10月に訪れた「第6回国際次世代農業EXPO」。アグリ事業部の野地三奈さんらは、新潟にある発酵菌床の生産販売などを行う「楽々(ララ)」と出合い、後日、「楽々」スタッフが試作用の菌床を持って同園を訪れた。
野地さんらは、イチゴの苗を育てる「育苗ハウス」が、育った苗をいちご狩り用の本体のハウスに移行させた後は空きスペースとなっていたので、育苗ハウスが空いている時期に合わせて、ひらたけの菌床を育てることができると考えた。
早速、同社の高橋博社長に提案し、「楽々」との取引が決定したが、ひらたけの大部分は水分なので、菌床を育てるためには飲料水道水を使うことが必要不可欠で、準備に約1カ月を要し、12月30日、1回目の納品が実現した。今シーズンは480菌床を入荷。
野地さんは「イチゴ狩りに来たお客様さま向けに、プラスアルファのエンターテインメントのひとときを提供できる」と話す。収穫体験後のひらたけは100グラム150円で販売。上里カンターレ内にあるパンの店「カプリ」やレストランビュッフェ「アマルフィ」の食材としても利用予定。
ひらたけのハウスを担当する大石さんと原田さんは、農業をしたくてアグリ事業部のある「シェリエ」に入社。大石さんは島根出身で20歳になるのを機に、法人企業でありながら「アグリ事業部」があり農業ができる同社の存在を知り、入社を希望し引っ越してきたという。東京生まれで結婚を機に群馬県民となった野地さんは、トマトの収穫のパートを始めたのがきっかけで農業に魅力を感じ、同園でイチゴ狩りをしたのがきっかけで同社への入社を希望した。
食用キノコである「ヒラタケ」は、イチゴの苗を育てているハウスが空いている11月~2月に水だけで育てることができ、2週間ぐらいで「収穫体験ができる大きさに成長する。野地さんは「来シーズンは、11月には準備を始めて、イチゴ狩り体験がスタートする12月には同時に、ひらたけ収穫体験も始めたい」と意気込む。
同園は月曜休園だが、農作業は18人のスタッフが交代で、年中無休で行っている。